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#001 被災地支援を振り返って 飯塚武司

飯塚武司氏……公益財団法人東京都文化スポーツ事業団職員
 平成25年6月1日から平成26年3月31日まで福島県文化振興財団遺跡調査部に出向し、主に一般国道115 号相馬福島道路の霊山道路部分(伊達市・相馬市所在)の遺跡の本調査及び分布調査を担当した。

1 派遣当初の状況

 派遣先組織は福島市内の市街地に所在しているため、市内では復興は進んでいるようにも感じられたが、近隣には閉館したままの公共施設も存在し、また継続して行われている除染作業をみるたびに、改めて被災地であることを実感させられた。

 また派遣前、打合わせの際に案内していただいた浜通りでは、震災被害のままの状態の建物や仮設住宅で生活されている被災者の皆さんを目の当たりにし、少しでも復興の役に立ちたいと、気持ちが引き締まる思いがした。

 私は平成25 年6 月から派遣されたが、上司の的確な指導や、他県から派遣された復興支援の意欲に満ちた職員からの、現状に即した有効なアドバイスを受けることができ、業務に生かすことができた。

2 派遣先部署の業務概要

 福島県文化振興財団は、芸術文化事業、文化センター・白河館関係事業、埋蔵文化財事業、助成・顕彰事業などを行っている組織である。

 埋蔵文化財事業を行う遺跡調査部は48 名の職員と契約職員14 名他から成り、福島県教育委員会から業務を受託し、県内遺跡の分布調査(試掘調査)及び記録保存のための本調査、県内市町村埋蔵文化財調査への技術協力を実施している。

 特に本年度からは、会津縦貫北道路及び一般国道115 号相馬福島道路発掘事業が復興支援事業として位置付けられ、他の都県からの派遣職員の応援により集中的に発掘調査を実施し、道路の早期の供用を目指している。

3 成果・実績

 私は遺跡調査部の復興調査班に配属された。福島県では作業員を直接雇用するなど、発掘調査を業者に委託している東京都とは調査体制が異なっていた。

 こうした違いを乗り越え、福島県の職員や他県から派遣された職員と連携・協力することにより、円滑に発掘作業を進めることができた。

 具体的な発掘作業としては、主に復興支援道路の路線上に所在する遺跡の本調査で、状況に応じて分布調査にも携わり、復興支援道路の早期供用へ向け、微力ではあるが貢献することができた。

    

【発掘調査・従事体験談】

●担当した業務の概要

 派遣先では、遺跡調査部管理課の文化財主査という立場で仕事をしています。

 管理課は、管理課長―管理主幹のもと、管理調整班(管理調整・分布調査・市町村技術協力・県文化財課復興班出向)・整備保存班・復興調査班に分かれています。

 私が配属された復興調査班は、主に一般国道115 号相馬福島道路の霊山道路部分(伊達市・相馬市所在)の遺跡の本調査及び分布調査を担当し、復興業務として調査の技術支援を行いました。

桧原湖のテント群

姥ヶ岩(うばがいわ)遺跡遠景

(相馬市)

●苦労したこと・工夫したこと

 一日の流れは、遺跡調査部から公用車で現場まで行き、発掘作業を行い、その日の作業終了とともに戻り、業務終了後に市内の宿舎に帰るという毎日です。

 調査地は山間地や丘陵地に所在するため、発掘調査のためのプレハブの用地の確保が難しい場合や予算の関係、短期間で次々と調査地点が移動すること等もあり、プレハブが設置できないことが多く、電気・ガス・水道などのインフラも確保されていない状態がほとんどでした。

 そのため調査に協力していただいている地元の作業員の皆さんには、夏の猛暑の時は休憩時間に涼をとってもらったり、雷雨の際の退避、また冬の寒さから暖を取ってもらうことができず、環境が厳しい中で作業してもらったことを申し訳なく思っているとともに、感謝しています。

 遺跡が放射線量の高い地域に立地している場合もあり、常に線量計を携帯し、その日の線量と月の線量の総量を報告し、職場で線量管理がなされています。

 線量の高い地域での試掘作業では、重機による表土層除去の際に高い線量の土が舞う状況があり、線量計の数値も高い値を示すことも多く、線量の問題を実感しました。

桧原湖のテント群

熊屋敷B遺跡

(伊達市)

●印象的なエピソード

 本年度の業務では、他県で実施されているような復興住宅建設予定地の遺跡調査をしているのではないことから、復興支援に携わっているという実感をなかなか持てない面もあるのも事実です。

 しかし大雪の日に現場に向かう時に、国道115 号線下りが大渋滞になる状況を目にし、一刻も早く相馬福島道路建設事業を完成させなければならないという思いを強くしました。

 微力ではありますがこの事業に携わり、復興支援事業に貢献することができたと実感しました。

桧原湖のテント群

向山(むかいやま)遺跡

(相馬市)

●今後の事業に活かせること・活かしたいこと

 福島県だけでなく他の自治体や財団との連携・交流を深めることができました。

 今後も福島県で培った人脈を活かし、福島県に関する情報収集、他団体との情報交換を進めるとともに、福島県への支援も継続して行っていきたいと考えています。

  【飯塚 武司】

(※2014年5月に東京都総務局復興支援対策部被災地支援福島県事務所を通して寄稿をいただいた記事です。)

        
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