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 トップページ > 遺跡調査部のご紹介(リレー・ブログ) > #044 立子山たたら参加記 (2015.7.7)

 
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#044 立子山たたら参加記 なまはげ1号

 先日、福島市立子山で開催された「立子山たたら」4号炉の操業に参加してきました。

 「たたら」とは、簡単に言うと、粘土で作った炉の中に風を送って木炭を燃やし、温度を上げて砂鉄を入れ、とかした砂鉄から鉄を作ることです。

 まずは、準備作業の様子から。

 5月16日、9名のスタッフが会場の藤安将平刀匠宅に集合。会場の草刈りや前回の炉(3号炉)の整理を行い、その後の打ち合わせで今回の炉も南相馬市小高区から見つかった国指定史跡「横大道遺跡」の製鉄炉(竪形炉:円筒形の炉)をモデルに炉を作ることになりました。

 翌日から操業当日までは、毎週末に多くの方々が参加して、炉の構築とそれに伴う粘土ブロック作り、操業に使用する炭の小割(炭切り)や砂鉄洗いなどの準備作業が行われました。特に、炭切りは2~3㎝大の大きさに切り揃えるという少々技術のいる作業です。担当された方々は炭まみれになりながら奮闘していました。

写真1

炭切りの様子

 6月13日夕方、約30名の参加者が見つめる中、ついに高さ2m40㎝、内径30㎝の炉が完成。あとは乾燥させ、操業開始を待つだけとなりました。

 夜の9時、いよいよ操業の開始です。炭焚(木炭投入担当)により木炭が少しずつ炉の中に投入されていきます。炉の頂上まで木炭が入った後、炉内から出るガスに引火すると、炉の上からきれいな炎が立ち上がりました。

写真2

操業の様子


写真3

燃え盛る炎

 日付が変わった、午前0時。砂鉄投入の時を迎えました。砂鉄を最初に投入する前に、「初種(はつたね)」の儀式を行います。「種」とは砂鉄のことで、「初種」の儀式は操業の技師長である村下(むらげ)に合わせて参加者一同、製鉄の神様「金屋子神」に拝礼し、操業の成功を祈願するものです。いよいよ砂鉄が投入され、会場内には緊張感が立ち込めました。

 その後、約3~4分おきに決められた量の木炭と砂鉄が炉の中に投入されていきます。

 午前1時頃、炉の下の湯口(炉の中の不純物や鉄を流し出す穴)に詰められた粘土栓を取り外すと、湯口からも炎が出てきました。午前3時頃になると、この炎が小さくなり、炉の底に不純物(ノロ)が溜まったのではないかと推測されました。いよいよ、ノロ出しの時です。鉄の棒で湯口から炉の中を突きます。しかし、予想されたノロは流れてきません。ノロは炉の底で固まっているようです。さらに、炉内の途中でもノロが固まって、棚状になっているようでした。最悪のパターン。

写真4

金屋子神と木炭投入の様子

 ここで、村下の英断により、炉の前面に穴を開けて炉内の途中の棚を取り外して、炉の前面を修復して、仕切り直しすることになりました。

 その後、再び木炭と砂鉄を交互に炉の中に入れていく作業が続き、午前8時過ぎ、最後の砂鉄投入の時を迎えました。最後に投入される砂鉄を「終種(おわりだね)」と呼び、初種の儀式同様、投入前に参加者一同、金屋子神に拝礼しました。あとは、炉の中の木炭が炉の下まで燃え落ちるのを待つだけとなりました。

 午前10時、炉内の木炭が燃え尽きたのを見計らって、まだ炉の中には火山の噴火口のように熱気が充満していますが、炉が上の方から順に解体されていきます。炉の中はかなり高温であったようで、壁がドロドロに融けていました。また、炉の底には真っ赤な大きな塊ができているようです。この塊を鉄の棒で引きづり出して、水を張ったドラム缶に入れたら、「ジューーーー!」っというすごい音と共に水蒸気が上がり、水中でその塊がゴロゴロ踊っているようでした。そして、ドラム缶に張った水は一瞬にして熱湯になりました。

 しばらくたつと、水蒸気やゴロゴロという音が収まり、お湯の中からこの塊を取り出し、さらに水をかけて冷ましてから、金槌で叩いて、できた鉄の回収を行いました。回収された鉄の量は約4キログラムでした。

写真5

炉の底にできた赤い塊

 この2日間、ほぼ不眠不休で約30名の方々が色々な役割の中で、鉄づくりに携わりました。一つの目的に向かって多くの方々が協力して取り組むって素晴らしいなぁと感動しました。

 皆様、お疲れ様でした。

 

 う”~見ていて疲れた。ついつい力が入ってしまいますね。(その場にいるような気がして)

 ナニナニ、最初は温度が下がってノロが詰まっちゃったんですか? 炉の内壁と外壁の間に隙間が空いちゃったって、まるで自然気胸ですね。←(経験者)

 でもやり直しで4キロも取れたんだから結果オーライでしょ。 え?違う? そっか、刀を作るのには6キロも必要なんだ・・真実探究への道は険しいなぁ。

 ということで次回は自然流のねぶたさん「あたりまえの話」。こうご期待!(管理人:葉羽)


        
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