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 トップページ > 遺跡調査部のご紹介(リレー・ブログ) > #106 忍びの国 (2017.07.04)

 
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#106 忍びの国 葉羽

 こんにちは。いつもブログ・コメントを担当している葉羽です。今回は、自ら記事の執筆ということで、いつもの「ラーメン」ではなく「cinema」でいきたいと思います。

 実は、うちのカミサンが一か月前くらいから入院しておりまして、この間、モノが全く食べられずに点滴だけで生きながらえておりました。

 で、6月20日に無事、手術が成功。回復は順調で、ようやくお粥が喉を通るようになりました。(めでたい、めでたい。)うちのケイ子さん、体調悪くともお茶目なものですから、手術前、執刀医のサトー先生に・・

「センセ、手術跡縫う時には“これ以上ない”ってくらいキレーに縫ってくださいね♪」

「あのねケイ子さん、汚く縫おうなんて医者は世の中に存在しないの。分かった?!」

「言ってみただけ」(てへぺろ♪)

病院でのツーショット
(葉羽とケイコ)

←遺跡調査部のディーン様と呼んでください♪

 で、術後の回復は目覚ましく、去る7月2日には外出許可が出ましたので、夫婦で映画に行くことにしました。はい、僕らは月に2~3回は映画館に通ってる夫婦なので、ずっと我慢の子だったのです。

 チョイスした映画は、嵐の大野智君が「映画 怪物君」以来6年ぶりに主演する「忍びの国」。作家の和田竜さんによる同名の歴史小説が原作でございます。

 キャッチコピーは『織田軍1万vs俺1人?』。いやぁ、この時点であまり乗り気では無かったのです…。だって荒唐無稽でしょ?

 近年の時代劇では、福島県いわき地方にあった湯長谷藩の騒動を描いた「超高速!参勤交代」(2014年)が捧腹絶倒で面白かったのですが、その続編「リターンズ」は1000人の悪老中の軍隊にたった7人で戦いを挑む話になりまして、いきなりポシャりました。

 だって、いくらフィクションたって、勝てるワケないじゃないですか。(勝つんだけども)

 やはり、ある程度はリアリティを追及してもらわないと、感情移入もできません。「忍びの国」のキャッチコピーを見て、この時の悪夢が脳裏をよぎったのです。

「忍びの国」リーフレット

(※以下の記事は、チョットだけあらすじに触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。)

 映画の冒頭、忍者の軍団同士の闘いが繰り広げられています。堅い城門の館(たて)に籠るのは伊賀の下山甲斐(でんでん)一派。これを攻めるのは百地三太夫(立川談春)の一派。攻め手はそれなりに奮闘していますが、張り巡らされた深い壕に阻まれて次々と矢玉の犠牲に。

 もはやこれまでかと思われたところ、三太夫が口を開く。「待て、もうすぐ城門が開く」

 この時、城の裏手から塀を軽々と飛び越えて侵入した一人の忍者が、内側から城門を開いて現れるのです。もちろん、我らが大野君。彼の前にはどんな門も意味をなさないということから、付けられた二つ名が「無門」。

 館になだれ込む攻めて側の忍者群。接近戦の大立ち回り…いやぁ時代劇の醍醐味はコレですね!…しかし無門は闘いから脱出。三太夫から報奨を受け取って去ろうとします。どうやら無門は一匹狼の傭兵のようでございます。

 しかし呼び止める三太夫…「もうひと働き頼みたい。下山の息子、次郎兵衛(満島真之介)を討って欲しい。報酬は10文。」…聞こえないフリをして去ろうとする無門。「いや、50文!」…ちょっと考え、やはり去ろうとする無門。「ええい、100文でどうだ!」「受けた!」 ええ~!

 無門は見事、次郎兵衛を討ちとって100文をゲット。こんな感じで、コミカルに進行するストーリー。だけど、人の命が軽すぎる。やはりB級映画であったかorz…。

 ところがっ!!

「忍びの国」ポスター

 まんまとしてやられました。この映画、軽く見ては真価を見損じます。「人の命」が軽すぎた戦国の世…、裏の裏までかき合う権謀術数…、そしてそんな世の中に翻弄される者の悲哀…。それらが本当のテーマであったのです。(号泣必至!)

 時代背景は、織田信長が勢力を広げ始めた戦国末期。周囲の国が次々と落とされていく伊賀の国(三重県西部)は、上忍からなる十二評定家(百地三太夫や下山甲斐も構成員)の合議制で国の進路を決めており、迫りくる織田信雄の軍勢に対し、抵抗か服従かの選択を迫られています。

「織田はきっと正面から攻め込まず、逆に“守ってやる”と言って、国の中心に城を築こうとするだろう。そんなことになれば、我らは俘囚の身も同然。」「しかし織田の軍勢は我らの3倍以上。ここは降るしかあるまい…。」

 この評定を、館の外で警護を命じられていた下山甲斐の長男下山平兵衛(鈴木亮平)は聞いてしまいます。彼は、弟次郎兵衛が無文に討たれた時、父の甲斐が平然と「下人が一人死んだだけだ」と言い放った事に激怒し、十二評定家に不信感を抱いていました。「こんな奴ら人間ではない。死すべきだ…」

 しかし… 織田信雄への降伏の使者を命じられたのは、平兵衛本人だったのです。さて、平兵衛はどう動くのか。「忍びの国」の命運や如何に。はたまたその中で、無門とその想い人・お国(石原さとみ)はどんな役割を果たすのか?!(ドキドキ)

福島イオンシネマ

 この映画の殺陣にはビックリしました。近年の時代劇の殺陣の進化には目を見張るものがあり、「るろうに剣心」の転げまわる超絶殺陣のド迫力に“目からウロコ”だったのですが、本作はさらにそれを上まわるでしょう。

 その秘密は超スピード。目にも止まらぬという言葉がありますが、本当に目で追えません。その昔、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」で“アチョー”から始まる超高速拳法に度肝を抜かれましたが、本作では剣です。しかも二刀流。(あまり凄いんで「CG」かと思いました。違うけど。)

 このような超・接近戦となるのにはワケがありまして、ストーリーの中で『川』と呼ばれる決闘シーンが展開されます。(しかも二回)

 これは、戦闘中に誰かが敵の誰かを指名して『川』と言えば、他の戦闘はストップし、全員で決闘を見守る流儀なのです。

 地面に幅二メートルくらいの位置に、長さ5メートルくらいの平行線を引き、決闘者はこの線の中だけで闘わなくてはならない。もしも、ここからはみ出せば、敵味方関係なく周囲の全員で切りかかるという掟なのです。間合いがないので、敵を倒すまで、ひたすら剣を振るうしかありません。

 で、この数分間の撮影に三日かかったといいます。一か所でも段取りを間違えれば殺陣として成立しませんし、何たって大怪我必死。とんでもない緊張感の中での撮影だったことでしょう。

 このハードな撮影をやり切った大野君と鈴木亮平君には惜しみない拍手です。(パチパチパチ)

 また、もう一つの魅力は、ラスボスのカッコよさ。ストーリーの背景になった伊賀の乱は、信長の二男信雄が婿入りした伊勢国(伊賀の国の隣)の国司であり義父であった北畠具教(國村隼)を信雄(知念侑李:Hey! Say! JUMP)が謀殺することに端を発します。

 この実行犯が 伊勢谷友介演ずる日置大膳。大膳は、元・北畠具教の家臣で天下無双の豪傑であったのですが、信雄による元君主の謀殺に最後まで反対しています。

 しかしながら、先に手を出した盟友の長野左京亮(マキタスポーツ)が返り討ちにされようとした刹那、思わず身体が動いて具教を手にかけてしまうのです。つまり、根っからの悪人ではないのです。

 伊勢谷友介は、NHK大河『龍馬伝』の高杉晋作役に抜擢されて以来、どんどん存在感を増してきた俳優さんですが、「あしたのジョー」の力石徹は凄かった… 「るろうに剣心」の四乃森蒼紫役もイメージどおり… 「ジョーカー・ゲーム」の結城中佐役など彼以外に考えられない… と、そのくらい大好きな俳優さん。

 弓の名手大膳役では、敵を貫いた大矢が相手の身体を20メートルくらい吹っ飛ばすという強大なラスボスぶりを発揮。やはり「敵役が非常に魅力的」というのは、対決モノが成功する条件ですね♪

 さらに言えば、この伊勢谷友介氏、東日本大震災の復興支援にも尽力されていまして、福島第一原発の爆発事故でできなかった飯舘村の子供たちの卒園式や卒業式を自ら企画し実施しています。本当にありがとうございました。

「忍びの国」ポスター

←中央後ろが大弓使いの豪傑日置大膳。

 そして何といっても、大野君の演技が素晴らしい。実際、こんな達者な人だとは思っていませんでした。(だってホラ…「怪物君」だし。)

 この無門という役、とても難しい役だと思うのですよ。セリフ自体は、戦国の世なのに一人だけ現代風な言い回しで楽そうですが、コミカルに見えてシリアスな本質を持っているこの映画の事、とても重い言葉をボソッとつぶやくシーンがあります。

 たったその一言の言い方で、演技者の人間性まで推し量れてしまうという恐ろしいセリフが多々…。それを難なくやってのける。そしてまた、CGと見まがうような超絶アクションを修練一つで自分のモノにできる。これはもう只者ではありません。

 そういえば、大野君はジャニーズのメンバーの中でも常に「あいつを見習え」と言われて来たのだそう。ひょうひょうとしたキャラクターですが、その実力は誰もが認めている人物。嵐のリーダーは、やはりダテではありませんでした。映画終盤の「男の慟哭シーン」は必見です!

 変なキャッチコピーのせいで あまり期待せずに観に行ったのに、素晴らしい映画に出会いました。

 大野君、このまま演技者としてキャリアを積んで行ったら、いったいどこまで行けるのか…末恐ろしいような楽しみなような…。

 結果、久々の映画鑑賞は僕もケイコも大満足。

 ナイスな作品にカンパーイ♪ ←(まだ飲めないだろ・・ってか早く病院に送り届けろよっ!)


 書ききれなかったけど、お国役の石原さとみちゃん、時代劇のいでたちもとても素敵でした。

 そういえば、大野君と石原さとみちゃんて、実家がすぐご近所で、ご両親同士もよく知った仲だそうです。幼少のみぎり、同じ習いモノにも通っていたとか…。

 なので、本作のカップル役も堂に入ったものでした。←(完璧にお尻に敷かれてたけど(笑)) 

 (管理人:葉羽)


        
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