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 トップページ > 遺跡調査部のご紹介(リレー・ブログ) > #009 ミクロの世界(2014.7.15)

 
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#009 ミクロの世界 小倉徹也

 『ミクロの世界 -天化沢遺跡周辺と原町シーサイドパークの砂たち-』

 現在、調査をしている天化沢遺跡の周辺には、3年前の津波で運ばれてきた堆積物が今も見られます(写真1左)。

 また、天化沢遺跡東側の原町シーサイドパークには、人工の砂浜があります。この2地点の砂を比べてみました。

(写真1) 天化沢遺跡周辺の砂の堆積状況(左)と原町シーサイドパークの砂浜の状況(右)

オリオン座

    

 もし、遺跡周辺の砂が海側から運ばれてきたものなら、両者に何らかの共通点があるはずと考えて洗って見ると、写真2のように粒径サイズと含まれる鉱物の組成に違いのあることが見て取れました。

(写真2) 天化沢遺跡周辺の砂(左)と原町シーサイドパークの砂(右)の顕微鏡写真

オリオン座

    

 もう少し拡大して観察してみると、3年経過しているので山側から供給された砂と混ざり合ってはいますが、写真3のように遺跡周辺の砂に含まれる石英や長石は、角が取れて円磨されたものが多いことに気づきます。

(写真3) 天化沢遺跡周辺の砂の顕微鏡写真(拡大)

オリオン座

    

 原町シーサイドパークの砂についても、少し見やすく写真4(右)のように粒子を整理してよ~く観察してみると、確かに角の取れた鉱物が多いこと、そして黒色不透明な鉱物、褐色または緑色で透明な鉱物の多さに気づきます。

(写真4) 天化沢遺跡周辺の砂の顕微鏡写真(拡大)

オリオン座

 こちらは浜辺のものなので角の取れた鉱物が多いのは当然として、有色鉱物の多さに驚きました。黒色不透明な鉱物はマグネタイトとイルメナイト、緑色透明な鉱物は単斜輝石、褐色透明な鉱物は斜方輝石とみられます。これらは火山灰起源の鉱物だと考えられました。

 粒径サイズの差については海からの距離による差とも考えられ、採取場所の違いによるかも知れないので一概には言えませんが、鉱物組成の違いについては遺跡周辺の堆積物に有色鉱物、火山灰起源の鉱物がほとんど含まれていないことから明らかな差と認められます。

 この差はどのように生まれたのか、鉱物の比重の違いなのか、それとも、そもそも津波の発生前後で大きく浜辺の堆積環境に違いが生じたのか…、そして、どの火山からの供給されたものなのか、今までどこに堆積していてどこから供給されたのか…などなど。

 遺跡周辺から原町シーサイドパークの間の堆積物を、もう少し観察してみる必要があるなと思っています。


(追伸)掲載コーナーは「調査研究コラム」の方がよかったかなと思いつつも、編集ができちゃったので、このままアップ(笑)次回リレー・ブログは「E」さんが執筆予定。登場は7月末!(管理人:葉羽)

        
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