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 トップページ > 遺跡調査部のご紹介(リレー・ブログ) > #003 氷上わかさぎ釣りと日本人の感性(2014.5.19)

 
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#003 氷上わかさぎ釣りと日本人の感性 ペンネーム:NR

 みなさんは、「氷上わかさぎ釣り」についてご存知でしょうか。おそらく、テレビ等で真冬の凍った湖の上で、寒さに震えながら魚を釣っている映像をご覧になった方も多いと思います。

 当財団が位置する福島県にも、真冬に結氷する裏磐梯の湖(桧原湖・秋元湖・小野川湖)があり、日本でも長野県や群馬県と並ぶ氷上わかさぎ釣りのメッカとなっています。

 そして、シーズンにはその魅力に憑かれた多くの釣り人で賑わい、雪景色の中色とりどりのテントが並ぶようになります。今回は、氷上わかさぎ釣りの魅力について、日本人の感性との関わりでご紹介してみたいと思います。

桧原湖のテント群

桧原湖のテント群

 まず、この釣りでは、一般の釣りに使われるような長い釣り竿は使いません。20cmほどの小さな本体に20cm前後の柔らかい穂先が付く竿を使います。

 最近の主流は電動リールで、単3や単4の電池で小型のモーターを駆動して、糸を巻き上げます。細い糸先には5本~10本程度の極小の釣針と軽いオモリが付いています。

 この仕掛けにエサを付けて、湖の底まで沈めて穂先のアタリ(魚がエサを咥えたことによる穂先の変化)に合わせて竿を上げ、5~10cm程度の小さなわかさぎを釣り上げます。

 ここで、一番重要なのは、この魚の微妙なアタリを捉えられることです。釣り人はこれをうまく捉えることに凌ぎを削り、穂先の素材や形状、長さにこだわります。

 わかさぎのアタリには、ほんの微かなものが多くあります。穂先がわずか0.5mm動くものから、はっきり動かないが明らかにおかしい感じがするなどなど・・。

 この微妙なアタリを感じるようになると、氷上わかさぎ釣りが俄然楽しくなります。この微妙な変化に気づくためには研ぎ澄まされた感性が必要で、これがこの釣りの醍醐味だと思います。

    

 日本語には微妙な変化を示す「かすかな」「ほのかな」「わずかな」「ちょっとした」などの多くの語彙があります。

 これこそが、日本人が、その歴史や伝統の中で培った微妙な変化を好む感性を示すものだと思われます。多くの文学作品にも、この微妙な変化の表現や主題が数多く取り入れられています。

 私をはじめ、この釣りの魅力に憑かれてしまう人は、この日本人の心の底に流れる「微妙な変化を好む感性」に触れてしまった人間だと思います。

 自分の内なる声に耳を澄ましてみて、この感性に確信を持たれた方には、是非、この超「日本人的」な釣りにチャレンジしてみることをおすすめします。


(追伸)リレーのバトンは「T」の付く方につなぐ予定です。(ペンネームで頭文字が変わってしまうかもしれませんが。)

        
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