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 トップページ > 調査研究コラム > #006 赤柴遺跡の旧石器遺構ー発掘された日本列島2012ー(2014.6.5)

 
 このコーナーでは、職員が行った調査研究の成果について掲載しています。

#006 赤柴遺跡の旧石器 ―発掘された日本列島2012― 山元 出

 遺跡名:赤柴遺跡(あかしばいせき)
 所在地:福島県相馬郡新地町駒ヶ嶺字赤柴

 福島県北東部に位置する新地町では、震災による復興道路として位置づけられた常磐自動車道の建設に先立ち赤柴遺跡の発掘調査が行われました。

赤柴遺跡調査区全景

(西上空から)

赤柴遺跡は鹿狼山より太平洋に向かって延びる台地上に立地します。
写真奥が太平洋です。
旧石器時代の遺構は矢印部で見つかっています。

 赤柴遺跡は後期旧石器時代(約2万年前、未較正)の遺跡で、平成23年度の調査では、槍の先に付ける尖頭器(せんとうき)を含む石器が100点出土し、こぶし大の石が集積された遺構(礫群(れきぐん))が5ヶ所見つかりました。

礫群の出土状況

(5号。北西から)

礫群のうち特に集中度が高く、1メートルほどの範囲に341個の石が集められていました。

 先端部に縦長の剥離が施された尖頭器は、中部地方・関東地方に特徴的な石器に類似します。

 礫群は1ヶ所につき50~350個の石が集積され、熱を受けて石の多くは赤く焼けていたり、割れています。


出土した尖頭器

(上段:表、下段:裏)

左上の縦長の広い剥離は樋状剥離(ひじょうはくり)と呼ばれ、この尖頭器の特徴です。
約2万年前の中部地方・関東地方で流行したスタイルの尖頭器です。
長さ9.9センチ、幅3.3センチ、厚さ1.2センチ。

 石器の数は少なく、加工も少ないため、長く継続的に生活が営まれたわけではなく、狩りなどで短期間滞在した場所と考えています。

 このように特徴的な尖頭器が礫群とともに見つかったのは、貴重な発見です。


出土した石器

(上段:表、下段:裏)

白色の頁岩を主な石材としています。
左上は樋状剥離によって剥離された削片。
それ以外は尖頭器の製作時に生じた剥片です。
左上のもの長さ7.2センチ、幅2.2センチ、厚さ0.3センチ。

 発掘調査には、東日本大震災の被害を受けた方々も多数調査に参加しています。

 発掘調査が復興の大事な一歩として踏み出されています。

【山元 出 2014.6.6掲載】(※文化庁『発掘された日本列島2012』への投稿記事。)

        
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